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 凍てつく氷が地面を凍らせていく。  吹雪が綿目掛けて刀を振り下ろす瞬間、紫がその攻撃を塞いだ。 「お久しぶりですね····吹雪様」 「あぁ、そしてさようなら」  空から落ちてきたのは数え切れない程の巨大な氷柱達。  そんなものを直撃すればたまったものではない。  しかし、負けてたまるかと加勢に来た空を飛ぶ事の出来る妖達が氷柱に攻撃をして粉々にしていく。  しかし、吹雪の氷柱を破壊していく妖達を狩るために怪鳥に乗って飛んできた。 「【天華(てんか)】!」  第二部隊中将とその部下達。  透明に近い白い髪はまさに氷の如く靡かせる度に輝きを放つ。  しかし、その性格は氷の如く冷酷。  雨雲から落ちる雨が集まり凍りつき、鋭利な矢の如く妖達に降り注ぐ。  妖達は結界を作り出し、仲間の身を護ろうとするが、第二部隊の兵達が妖達を襲う。 「神人だからと怯むな!妖気だからと言って神人に効かないわけじゃない!!」  紫の大声に怯みかけた妖達の士気が上がる。  妖だからと言って必ずしも神人を倒せないわけではない。 「舐められたものですね。第二部隊も」  北の部隊の中で二番目に強い部隊だと言うのに相手をするのは神人に勝てると自信過剰になっている妖達。  呆れなのか天華は鼻で笑う。  そんな時だ。 「!?」  四方八方から植物の蔓が天華が乗っている怪鳥を捕まえて拘束した。  捕まった怪鳥は暴れ初め、天華を振り落とされる。 「·····西の草神か」  氷を生成して滑走台を作り出し、蔓を召喚した主の元へと滑って行った天華は召喚した刀で突きを仕掛ける。 「危ねぇ!!」  天華の攻撃を蔓を使って受け止めたのは西火ノ神の家臣から現在焔の側近である【胆礬(タンバ)】だ。
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