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『南潜水船撃破』  液状の水使いが念話を使って瀑流に報告する。 「ごくろう【 走錨(そうびょう)】殿」  海軍第二部隊隊長走錨の姿を見たものは限られている。  いつも布を被り行動して殆どは海に溶け込んでいる為、実体がないのではないかと言われている。  北の海中は走錨達海軍第二部隊が監視している。          * 「ああぁ゛ああ゛ぁ゛ああ゛あ!!俺のヴェデリアがあああぁぁ!!」  絶賛イードルが大叫喚中。 「北のクソ野郎共!俺のヴェデリア元に戻しやがれ!!」 「······ぃや、イードル」  ヴェデリア元に戻せじゃないだろう。  まずは部下の安否確認だろう。 「と、言っても念話で呼びかけても応答はないですが·····」  ヴェデリアに乗っていたイードルの部下達は恐らくだがもう··· 「イードル殿!」 「!!?」  千波の声に顔を上げれば目の前には高波。  結界は誘導放出により破壊され張り直すのにも時間がかかる。  水使いなら海の水を操ろうと思えば難儀な事では無い。  しかし、この高波はまるで生きているかのようだ。  ティティスが高波に向かって召喚したカトラスから炎を放った。  しかし、その高波はティティスの放った炎をいとも容易く避けてしまった。
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