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   -----ガキィイイイインと、刀がぶつかり合った。 「えぇ?おい、楽しいか?んな事言って楽しいかァ?」 「楽しいねぇ!ついでだから言うけど、お前の話なんか一秒も聞いた事ねぇわ」  それも嘘。  風美の知る限りの隊の情報は教えて貰っている。  第三部隊の神力の質、剣術、性格ついでに性癖も。 「お前さんの所の家庭は知らねぇけど俺ん家は美人な嫁さんと子供二人に囲まれてまじで幸せ~!!」  嫁自慢家族自慢が始まった雅鷹を黙らせる方法はないですか?  討ち取るしかありません。  霆鳴は己の刀に神力を込めて雅鷹を一気に討ち取ろうと刀に電気を纏わせる。  しかし、いざ刀を通して電気を流そうとするも、雅鷹にはそれが効かなかった。 「俺らの可愛い妹分が作ってくれたんだよ」  ゴムを特殊加工した事により電気がさらに流れにくくなった。  対第三部隊の戦略を風美自らが提案した。  ここにいなくても彼女は戦ってくれている。  ---「霆鳴隊長は冷徹に見えますけど結構情熱的な方です」  生前に聞いた風美の話。  熱しやすく冷めにくい性格らしい。 「角と左目を前の戦の時に失ってますが、死角になってると勘違いしてはなりません」  寧ろ死角になる場所には敏感になった。だから、左側を狙おうとする輩がいたとしても問題なく蹴散らせていた。  喧嘩をふっかけるなら真正面から。  絶縁体を混ぜ込んだゴム手袋に胸当て。  そして上空で暖かい南風で作った台風により雷が落ちるのを塞いだ。 「海軍の方もお宅らが捨てた姫様の栄養剤のおかげで有利に事が運ぶ」  一時的だが今頃、海にいる水使い達の体質が電気を通しにくい状態になっていることだろう。 わざわざこの戦の為に対策を練ってきていた事は手を叩いて褒めてやりたい。 しかし、北もそれなりの対策をしてきたつもりだ。 倭の国土の連合軍全員がまもなく苦しむ事になるだろう。
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