8人が本棚に入れています
本棚に追加
同じく上空。南の風雷兄弟との交戦に先程から上手く雷が使えないだけでなく詩雲に電流を流しても効果が今ひとつと言う理由はそう言う事かと飛雷は理解した。
今にも吹っ飛ばされそうな程の雨が混ざった強風。
その中を自由自在に飛びまわる南の風使いの兄がウザったいと思う程だ。
空軍がさっさとこの南からの風を消し去ってくれるとは信じているが、その空軍部隊は東の天雷達と交戦中だ。
「なぁに?ひー君ってば、神力頼りでそんなに剣術に自信ないのぉ?」
本当にこの兄の煽り方が腹が立つ。
「ほざけ」と、飛雷が詩雲に向かって刀を振り、何度もぶつけ合う。
そもそもだ。
確かに電気・雷は攻撃に特化している力だろう。
だが、それだけではない。
光速は音速をも凌ぐ。
電光石火の如く飛雷は自分の足に神力を溜めて速さを活かして詩雲に攻撃を仕掛ける。
しかし、それを受け止めたのは同じ雷使いであり詩雲の双子の弟である雷煉。
そもそも何で陸と空の隊長二人が北の中将を相手にしているんだ。
「俺の顔面返せこの野郎!!」
「風美でマウント取りたかったから」
詩雲の言い分はまだ分かる。
しかし、雷煉の言い分はなんだ?
マウントってなんだ?
風美をそこで出してくるな。
「風美の兄貴ポジションは俺だ」
「知るかぁ!!」
閃光と風が飛び交う激しい交戦は周りをも巻き込んでいく。
雷煉と飛雷が走った後の電気の後に少しでも触れれば感電し、ただでさえ強風が吹いているのに詩雲が巻き起こす突風のせいで陸で戦っている兵達は敵味方関係なく吹っ飛ばされていく。
チームワークなんてあったものじゃない。
「「俺がルールだ!!」」
その言葉を蕃神の前で言って来い。
間違いなく地面に頭沈められるだろう。
最初のコメントを投稿しよう!