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ところが二回目の「一生のお願い」が来て、三回目に「一生のお願い」と言われた時は、「アレ?」と思った。百円貸して。ちょっとあそこで並んどいて。
修学旅行〇〇ちゃんと一緒に回れるよう仕向けて。
という裏工作的な「一生のお願い」をされた時には、さすがに聞いた。
「多すぎない?」
「へ? 何が?」
「一生のお願い。多すぎない?」
するとつばさは
「えっ? そーかなぁ?」
と少し首をかしげたけど、
「まっ、いいじゃん!」
とカラッと笑った。
「たいち、ね。一生のお願い!」
ぱん、ぱん、と手を打って拝んでくる。僕は神社のご本尊か。
でも顔を上げた時のつばさの顔がなんだか、天使みたい、っていうとアレか、まぁ何ていうかとにかく、あまりにも悪意がなさげだったから、
「……わーった、ヨ」
と、ちょっとカッコつけつつ応じざるをえない僕なのだった。
そしてもちろん、僕はつばさの「一生のお願い」を叶えてあげた。ていうかクラスの班決めなんてのは、当時学級委員だった僕の権限で、余裕でできることだったのだ。
そして、つばさの「一生のお願い」は、そのあとも、はたまたそのあとも続いたのだった。
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