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まだあまり触っていないというのに随分な有り様だ。このままでは窮屈だろうと、隆之はベルトに手をかけて外しにかかった。
「やっ、ま、待って……自分でっ」
夏樹が焦った様子で手を掴んでくる。
しかし、隆之はお構いなしだった。制止の声を無視して、下着ごと一気に下ろし――そして固まる。
「だから言ったのにい」
「す、すまない。先に脱がせておけばよかったな」
先ほどの刺激で絶頂してしまったらしく、夏樹の下着はぐっしょりと濡れていた。いやらしく白濁が糸を引いている様を目の当たりにして、隆之は何とも言えない気分になる。
とりあえず下衣を脚から引き抜いてやったけれど、夏樹は真っ赤になって眉根を寄せており、羞恥に耐えているようだった。
「うう、さすがにハズい……こんなの最短記録だよお」
しおらしい、と言ったらいいのだろうか。今日の夏樹はいつもと印象が違って、妙に可愛く見えてしまう。
おそらくは緊張しているに違いない。夏樹にしたって、それに隆之にしたって。今まで何度も体を重ねてきたものの、今日からは《恋人同士の営み》に変わるのだから。
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