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第6話 恋に臆病な僕らのリスタート(5)★
「挿れるぞ」
低く告げれば、うっとりとした表情で夏樹が見上げてきた。
熱い切っ先を宛がい、隆之はゆっくりと腰を押し進めていく。
「ふあっ、あ……あぁ」
ヌチュッと濡れた音がして、亀頭が熱い肉壁に包まれる。たちまち夏樹の口から甘ったるい声が漏れ、その体は歓喜に打ち震えた。
「あっ、生のチンポ……っ、すげ、きもちい……よぉ」
うわ言のように呟いて、夏樹が隆之の背に腕を回してくる。
隆之は愛おしさを感じながら、奥深くへと自身を挿入させていった。
薄いゴム越しではない、生々しい感触に全身の血流がめまぐるしく駆け巡る。きっと夏樹も同じなのだろう。結合部は小刻みに痙攣しており、触れた部分から伝わる脈動がどんどん速くなるのを感じた。
「夏樹――」
「ぁ、ああぁ……っ」
そのまま根元まで挿入すれば、夏樹は背を仰け反らせながらビクビクッと跳ね上がった。同時に隆之のものを強く締めつけてくる。
夏樹が絶頂を迎えたのは明らかだった。けれど精液は吐き出されておらず、いまだ張り詰めたまま――どうやらドライオーガズムで達したらしい。
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