297人が本棚に入れています
本棚に追加
/171ページ
「夏樹……」
「でもちょっと怖いかも。全部夢だったりしてさ、朝起きて隆之さんがいなかったらどうしよう」
「夢であってたまるか。俺はちゃんと夏樹の傍にいる――一生かけて大事にすると決めたんだから」
隆之がきっぱりと言い放つと、夏樹は目を瞬かせたのち照れくさそうにはにかんだ。
「……隆之さんって真面目な人だとばかり思ってたけど、結構ロマンチスト?」
「かもしれないな」
二人してクスクスと笑って、汗ばんだ肌を隙間なく重ねる。互いの体温を感じ合えば、それだけで心が満たされた。
最初のコメントを投稿しよう!