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その後、向かった先は駅前広場だった。程なくして、待ち合わせていた人物がやって来る。
「隆之さん!」
姿を見つけるなり、夏樹はすぐさま駆け寄った。
「早かったな。もっとゆっくりしてきてもよかったのに」
「こんくらいでいーの。ほら、早くいこっ? お部屋に置く家具見るんでしょ?」
パッと隆之の手を取り、指を絡めて歩き出す。今日は京極のもとで荷造りを終えたあと、新しく家具や生活用品を揃えようと約束していたのだ。
「俺、お揃いの食器が欲しいなあ。マグカップとかご飯茶碗とかさ」
「そいつはいい。夏樹のセンスに期待だな」
「えーっ、隆之さんも一緒に選ぼうよ!」
他愛のない会話をしながら歩く二人の表情は、幸せに満ち溢れていた。
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