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「正直、ちょっと期待しちゃってたけど……隆之さんって記念日とか大事にするタイプだったんだ」
「まあ、な」
どうやら互いにその意識はあったらしい。気恥ずかしそうにしている夏樹の頬に手を添え、隆之は穏やかに微笑んだ。
「だから改めて――指輪、一緒に見ないか?」
その言葉に夏樹が大きく目を見開く。ややあってから嬉しそうに顔を綻ばせ、隆之の胸に飛び込んできた。
「隆之さん、大好きいっ!」
「うおっ」
あまりの勢いに、隆之はバランスを崩してソファーの上に倒れ込む。が、夏樹は構うことなく襟元に手をかけてきた。
「ね、今度は箱パカッてすんのやってよ。そんで、指輪のつけ合いっこしよ?」
「そんなこと言いながら服脱がすなって」
「……駄目? なんか俺、エッチしたくなっちった」
と、唇に触れるだけのキスが落とされる。
こんなところは相変わらずだ。隆之は観念したように笑い、夏樹の体を優しく抱き寄せた。
「いいよ、君がその気なら応えるまでだ」
言って、今度は自分から口づける。
こうして愛おしい日々を少しずつ積み重ねていけたらいい――これから先も、ずっと。
ともに歩む未来を思いながら、隆之はそっと夏樹の服を脱がせたのだった。
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