番外編 オモチャ大好き夏樹くん(2)★

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 その後。落ち着いた頃合いになって、夏樹が思いもよらぬことを言ってきた。 「あ、そーだ。言い忘れてたけど、手錠とかアイマスク使って責められんのお客さんの方だかんね?」 「……は?」  ぽかんとする隆之に対し、夏樹はイタズラっ子のような笑みを浮かべて続ける。 「オプションがあるとはいえ、うちの店だとボーイはS限定なんだよねぇ」 「なっ、騙したのか!?」 「んー? そんなつもりなかったんだけどなあ。俺、嘘なんて一つもついてねーし」 「お、おい……」 「普段は優しい隆之さんだけど、エッチのときは結構強引だったりすんの――大好き、だよ?」  甘ったるく耳元で囁いたのち、今度は妖艶に微笑んでみせる夏樹。  つまりは、最初から手のひらの上で転がされていたということだ。まんまとしてやられたと思うと、複雑にもなってしまう。 「こっちは何も見えないのに、無言で責めてくんのとかゾクゾクしたあ~」 「………………」  隆之は余計に羞恥を煽られる。  が、やはり惚れた弱みなのだろう。夏樹のことが可愛くて仕方がないし、彼の望みなら何だって叶えてやりたいと思うのだ。 (まったく……敵う気がしないな)  そんな思いとともに、隆之は赤くなった顔を手で覆った。
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