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「どうせなら見てってよ? 俺、見られると興奮するし」
「……そんなこと言われてもな」
「ねえ、お願い」
夏樹が甘えた口調で言う。
本当にどうして――と思うのだが、惚れた弱みとしか言いようがない。
隆之は観念したようにベッドに近づき、夏樹の隣に腰かける。内心は居たたまれない感情でいっぱいだった。
(どういう状況なんだ、これは)
店のオプションでそういったものがあると知っていたものの、まさか自分が体験する羽目になるとは思わなかった。
夏樹はというと、こちらの心情などお見通しといったふうにニヤニヤと楽しげにしている。
「隆之さんは、そこに居てくれるだけでいーよ?」
言いながら横向きになって、自らの後孔を見せつけてきた。思わず隆之の視線が落ちる。
「へへ、今日はエネマグラでオナニーしてんの。お尻に力入れたり抜いたりすると……ほら、わかる?」
どうやら埋まっていたのはエネマグラらしかった。後孔の収縮と連動して、それは触れずともゆるゆると動きだす。
本来は医療器具のはずなのだが――前立腺が刺激される感覚が堪らないのか、夏樹がうっとりとした表情で行為に没頭しているさまが見受けられた。
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