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「はっ、あ……隆之さんが見てくれてんのイイ――いつもより感じちゃう……っ」
「『いつも』って。俺が居ないとき、一人でこんなことしてたのか?」
隆之が問うと、夏樹は少しだけ気恥ずかしそうな顔になった。
「俺、性欲強いから。こうして発散させておかないと、隆之さんのこと襲っちゃいそうで。……やば、隆之さん、イッていい? も、我慢できない――」
夏樹が切羽詰まった様子で言う。隆之はごくりと唾を飲み込み、その痴態をただ見守ることしかできなかった。
やがて夏樹の脚が小さく震えだしたかと思うと、次の瞬間にはビクビクッと大きく体を跳ねさせ――、
「あっ、ん! イく、イくぅ……ッ!」
甘ったるい声を上げて絶頂する。
ドライオーガズムを迎えたようで、夏樹の陰茎は射精することなく勃ち上がったままだった。体の痙攣も治まる気配を見せない。
夏樹は長い絶頂感に、荒い呼吸を繰り返しながら枕に突っ伏してしまった。
「あ、は……っ、オナニーでイッてるとこ、隆之さんに見られちった」
余韻に浸るように夏樹が呟く。
(……可愛い)
隆之は無意識のうちに夏樹の髪に触れた。そのまま頭を撫でてやれば、夏樹の顔がゆっくりとこちらに向けられる。
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