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「おい、夏樹っ」
「隆之さんは寝てていーよ。こうやって全身リップして、フェラして、最後は騎乗位でイかせてあげるから――ね、俺専属のお客様?」
鎖骨や胸板に軽く口づけを落とされ、くすぐったさとともに劣情がますます膨らんでしまう。
一度スイッチが入ってしまえば最後。理性など簡単に吹き飛ぶに違いなかった。
「ひとまず待てよ。シャワーも浴びてないのに汗臭いだろ」
「んーん、隆之さんの匂い好きだよ? 今日もお仕事頑張ったんだなあ、って伝わってくるし。……つーか俺、隆之さんの洗ってないシャツをオカズにするくらいだし?」
夏樹の痴態にばかり気を取られていたが、枕元には隆之が先日着ていたYシャツがあった。わざわざ洗濯物かごから持ってきたのだろうか、そんなものを嗅ぎながら自らを慰める姿が頭をよぎってしまう。
(ったく……)
ここまできたら降参するほかない。
結局どうやったって、この愛しくも淫らな恋人のペースにのまれてしまうのだ。そして、それも嫌ではないと思ってしまうあたり自分も大概だと思う。
「……煽った責任、とってもらうからな」
「いーよ? 最高に気持ちよくしてあげる」
言葉を交わし、どちらからともなく唇が重なる。そうやって互いに互いを求め、貪りあって――二人は快楽の渦に溺れていったのだった。
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