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彼女が住むマンションには昨日行った。
オートロックに付いているインターフォンから彼女に訪問を知らせたが、応答がなかった。
不在のようだった。
やはりどこかに行ってしまっているようだ。
会社を休職してから全くの行方不明。
だが警察に捜索願を出すのもどうかと思ってしまう。
何故なら会社を休職しているのなら、一人で旅行に出ている可能性もあるからだ。
女性には、一人旅を楽しむ人も珍しくない。
彼女もそれをやっているだけなら行方不明とは言わない。
ただ私に何も言わずに旅行に出ただけのことだ。
そんなことにいちいち文句を言ったり咎めだてするのはやはりおかしいと自分でも思うので、余計な詮索をしたくないというのが本音だ。
だが、やることが何もないので、仕方なくまた彼女のマンションに来てしまった。
不在のマンションに来て無駄にインターホンを鳴らしても仕方がないが、実はそれしかやることがないのだ。
虚しい行為だが、そんなことをいちいち繰り返してみるしかない。
馬鹿馬鹿しいことだと自嘲する。
自分の未練がましさに辟易する。
愚かな行為であることはわかっている。
だが他にやることが何もないんだ…
僕はただ何もすることがなくて、彼女のマンションのオートロックのインターホンを押した。
無意味な事はわかっているが…
だが、その時、
「はい」
と、インターホンの相手側から返事が返ってきた。
帰ってきたのか!
「麻里香?」
私は彼女の名前を呼んだ。
すると、
「はい」
と、また返事が返ってきた。
やっと戻ってきた!
そう思って僕は少し胸をなで下ろしながら、興奮した。
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