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第一章
カーテンから差し込まれる朝日が部屋を照らし、
空を飛ぶ鳥の鳴き声が優しく朝を教えてくれる。
朝起きる場面としてはこれ以上ないほどに素晴らしい状況だろう。
……部屋の持ち主がベッドからずり落ちて部屋の端で毛布に包まってさえいなければ、の話だが。
どうしてそうなるのかは本人さえわからない。
本人が言うには
「ベッドが俺のこと嫌っている」
らしいが親しい人間からは寝相がとんでもなく悪いとしか思われていない。
まあ、当然だろう。
そんな男が目を覚ましたのは太陽が真上に登った頃だった。
毛布をベッドの上に投げ顔を洗って食べ物用の棚を開ける。
「……そういえば昨日全部食べたな」
袋すら無い空っぽの棚を見て男の腹がなる。
一瞬自分の腹を見てから男は部屋の外に出るために着替え始めた。
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