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その紙は捨てられる準備をしている
自分はただの”紙”だから
”紙屑”として捨てられる準備を
いつもしている
自分は捨てられる為に産まれてきたのだから
貴重な文献や芸術作品でなければ
ゴミとして処分されるのが当たり前なのだから
殆どの紙がただのメモや下書きとして
捨てられるのだから
他の紙と同じように
自分も使い捨てられる準備をし乍ら
でもその紙は
心の中で願っている
「誰か私の上に文字を乗せて」
「言葉を与えて」
「私を捨てられない”作品”にして」
そう叫んでいる
ただの”紙屑”になる覚悟をし乍ら
ゴミとして捨てられる事を怖れている
今もまた
一枚一枚と捨てられる他の紙を見乍ら
暗くて汚いゴミ箱の底を怖れ乍ら
その紙は捨てられる準備をしている
捨てられない”作品”になる事を願い乍ら
捨てられる準備を
いつもしている
<2017年1月19日の詩>
(一昨日の夜 ”捨てられる準備をしている”というフレーズが浮かんで書いた詩。紙は単なる紙ではなく私自身を象徴しています)。
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