いざ、霜栄学園

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 昨日はひとりで考え込んでいたところ、何やら美味しい匂いが空腹を誘ったのでリビングの方に向かった。  そこにはあらなんと、エプロンをしっかり身につけてカレーを作ってる同室の雪園くんがいた。どうやら彼は料理が得意らしい。本人には否定されたけど。  大変美味しく頂きました。  そして今、料理が出来る男子くんこと雪園くんに寮と学校を案内してもらっている。  どのクラスになるかはまだ配られていないため知らないが、恐らく成績と、家柄で多少固められるだろうと説明してくれた。  試験の結果は極めて良かったはずなので、クラス決めで成績面を入れてくれて助かった。シャッフルってことは、一般科編入生も中等部から上がった新入生も同じ扱いってことだ。これは少しだけ親近感が湧く。区別なくって感じで。 「ところでさ、学校の案内ってクラス発表前にしてもらっていいの?」  今日は昼食を取ったあと、妙に不機嫌な雪園くんに「案内するから付き合え」と強引な形で連れ出されたのでそこら辺の説明は一切されてない。  ちなみに昼食はインスタントだった。なぜ。 「あー、まあ特例だな。ところで昨日も思ったけど背高いよな、何かしてたのか?」 「え?いやぁ、家で鍛えてたくらい?大したことしてないけど!」  しっかり話逸らされた気がする。まだあまり仲良くないけど、こちらとしては同室だしもっと歩み寄りたいんだけどな……ところで特例って何? 「へぇ、じゃあ筋肉も付いてたりすんのか。結構着痩せするタイプ?」 「それは今ひょろひょろに見えるってこと?」 「ちげえよ、ただの興味本位」 「……。まあ身長がデカいのは遺伝だと思うけど、鍛えてたのは母さんの影響かな」  この男、あしらい方がイケメンすぎじゃない?いや元々整った顔してるけど。  ところで母さんも身長デカいんだよ。身長超すのに時間かかったくらい。あの人178cmあるんだよ。ちなみに俺は180cmね。 「よし、次で最後だ」 「え?最後って、もう全部回らなかった?」 「何言ってんだ、トリが残ってる。なんならこっちが本命だ」  最後ちっさっく言ったのよく聞き取れなかったんだけど何?なんて言ったの!?  やっばいなんか嫌な予感してきた、行きたくない! 「も、もういいんじゃない?ほら、重要そうなところ全部回ったじゃん!」 「……」 「ねえなんか言って!?」
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