そうだ、ライブへ行こう

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「まさか、こんな日が来るとはな」  1年前、世界中に新型のウイルスが蔓延した。  それは感染力も強く、感染すると高熱を出すという恐ろしいウイルスだった。  世界中の人はそのウイルスに怯えて、外出自粛をし始めた。  しかし1年も経てば、少しずつ恐怖も和らいでいく。  今では外出する人も増えてきた。  感染しても酷くならないケースが多く出てきたからだ。  そんな中、僕はまだ外出自粛を続けていた。  僕は薄暗い研究室にずっと引きこもっている。  なんなら新型ウイルスが流行する前から引きこもっている。時代の先取りをしてたってやつですな。  まだ新型ウイルスが収まったわけじゃないのに、世の中の人はなんで愚かなんだ。  そう思っていた僕に1つの試練が訪れた。 「まさか、こんな日が来るとはな」  こんな日とは何か。  それはーーー、  地下アイドルにハマったのだ。  きっかけは偶然だった。動画投稿サイトのおすすめで、たまたまそのアイドルの子たちが上げている動画見た事だった。  正直に言う。ライブに行きてー。  しかし、今の世界は外出=恐ろしい行為だ。  究極の選択に迫られていた。  命懸けで行くか、諦めるか。  ただ僕にはもう一つの選択肢があった。  僕は研究者だ。不可能を可能にする男だ。  つまり何が言いたいかというとーーー、  ワープ装置を作れば良い。  流石僕。天才過ぎる。  さて、そうと決まれば、政策に取り掛かりますか。  待ってろ、アイドル!  待ってろ、ライブ!
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