シナリオ書き終わりました♡

6/6
36人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
◯雛鳥の部屋(続き、午後)   ※驚愕の雛鳥の顔アップ 雛鳥(ひな)「(涙目で)ひどいよ……なんでこんなことするの」   雛鳥、瑠偉の手を振り払い、   自分の体を抱きしめる。   悲しみと失望の混ざった眼差しを瑠偉に向けたまま。 雛鳥(ひな)「人のコンプレックス暴いて、嬉しい……?」 雛鳥(ひな)「瑠偉はそんな人じゃないって、他のみんなとは違うって、思ってたのに」   全ての記憶を取り戻した瑠偉。   我に返って冷静に、 瑠偉「ひな、聞いて」   片手で雛鳥の頬を撫で、   もう片方の手で身体を掻き抱く雛鳥の手首を取る。 瑠偉「すまなかった……いきなり乱暴なことを、して」 雛鳥(ひな)「…………(顔をしかめて目を逸らす)」 瑠偉「俺も取り乱していたんだ。本当に、ごめん」 雛鳥(ひな)「取り乱すとか、そういう問題? ワケわかんない……」   瑠偉、愛おしそうに雛鳥の頬を親指で撫でる。 瑠偉「ひな……火傷の痕。いつからあるの?」 雛鳥(ひな)「そんなこと聞いてどうするの」 瑠偉「いいから教えて」 雛鳥(ひな)「私が山で拾われた時にはもうあったって聞いてるけど……いつからなのかは、はっきりと分からない」   瑠偉、確信に満ちた顔をする。   雛鳥、また鬱屈に苛まれて、 雛鳥(ひな)「考えてたんだ……ずっと。こんな醜い形の痣、自然にはつかない。きっと私を捨てた両親がつけたんだ……って」 瑠偉「…………」 雛鳥(ひな)「赤ちゃんだった私に焼印を押し当てるなんて……。そんなに私が憎かったのかな……っ」   瑠偉、いたたまれない顔。   雛鳥の腕を放して、   着ていたトレーナーを脱ぐ。   瑠偉の鍛えられた逞しい体躯が白昼にさらされる。   雛鳥、彫刻のような瑠偉の身体の左胸に、   自分のものと全く同じカタチの火傷痕を見る。 雛鳥(ひな)「…………これ」   雛鳥、おそるおそる瑠偉の火傷痕に触れる。 雛鳥(ひな)「私のと、同じ形……っ」 雛鳥(ひな)「でも瑠偉のは少し小さい」 瑠偉「俺はニ歳の時にこれを押された。ひなが生まれてすぐの頃だ」 瑠偉「子供の成長に応じて皮膚は伸びる。ひなはまだ赤ん坊だったから、そのぶん俺よりも大きく広がったんだろう」 雛鳥(ひな)「これって……同じ焼印(もの)なの? でもどうして……っ」 瑠偉「生家のしきたりで焼印(これ)を押された《俺の許嫁》は生まれてすぐに産院から消えた。警察の調べで誘拐されたとまではわかった。生きていれば、ひなと同い年だ」 雛鳥(ひな)「誘拐……?」   瑠偉、自分の火傷にふれていた雛鳥の指先を、   手のひらで包みこむ。 瑠偉「ひなは……生まれてから消息を絶っていた俺の許嫁は。俺と同じ苦痛を背負って、生き抜いていた」 雛鳥(ひな)M「瑠偉の許嫁——?」 雛鳥(ひな)「まって……。私、どういう事だかっ」 瑠偉「この火傷痕は、互いが許嫁同士だという《しるし》だ」 瑠偉M「これまでずっと、俺を苦しめる忌まわしいものでしかなかった」 瑠偉M「ひなにとっても、それは同じだったはずだ」   瑠偉、胸元を隠す雛鳥の手を引き剥がす。     瑠偉「この忌むべきしきたりが、ひなと俺を繋ぐものならば……」 瑠偉「愛おしいよ」   露わになった雛鳥の、   火傷痕に口付ける。 雛鳥(ひな)「…………っ」   瑠偉、火傷痕にちゅ、ちゅ、と優しいキス。   雛鳥、驚いてびくんとなる。   それでも、恍惚に頬を赤くして目を閉じる。    雛鳥(ひな)M「この火傷の痕が、瑠偉の、許嫁のあかし……?」 雛鳥(ひな)M「私が、その許嫁なの……?」   瑠偉、顔をあげてひなを見つめる。   雛鳥、涙目のまま、まだ信じられない様子。 瑠偉「見つけた……俺の許嫁」   雛鳥、ぼうっとなった目を開ける。 雛鳥(ひな)「瑠偉…………っ」   互いの顔が近づいて、   唇が重なる。   ※引き、瑠偉の逞しい背中。   指先を絡ませて寄り添うふたりの、幸せな口づけの図    ⸜🌷︎⸝‍ すっかり長くなってしまいましたが、 ここまでお読みくださったお優しい読者様…… 本当に有り難うございました! ではでは、また……🤍 (๑˘̴͈́꒵˘̴͈̀)۶ˮ вyё вyё
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!