2.合同任務

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 アリスがそう言おうと口を開けば、クリスタがびしっと指を指してくる。人を指さすのは行儀の悪いことだとわかっているが、アリスに指摘する元気はなかった。 「あぁ、もうっ! アリスはくよくよしすぎ! ネガティブだわ!」  クリスタがわざとらしく大きな声でそう言うから、自然と肩が跳ねてしまった。  そんなアリスを見つめて、クリスタはにんまりと唇の端を上げる。 「あなた、自分が思う以上に素晴らしい能力の持ち主だって、わかっているの?」  さも当然のようにクリスタがそう告げてくる。……素晴らしい能力の持ち主。 (それは、団長からも言われたけれど……)  パトリス曰く、アリスの魔力は割と特殊なものらしい。だからこそ、自分が無理強いをしてこちらに引き抜いたのだと、パトリスは言っていた。初めはそれを信じられなかったが、パトリスが嘘を言うとは思えない。そのため、信じるほかなかった。 「そう、それすなわち――あなたが選ばれる可能性も、十分あるということよ!」  胸を張ったクリスタが、そんな宣言をした。その様子を見て、アリスは身を縮めた。クリスタの言葉が信じられないわけじゃない。ただ、やっぱり恐れ多いと思ってしまうのだ。 「で、でも、私なんか……」  ゆるゆると首を横に振ってそう言うと、クリスタがずかずかとこちらに近づいてくる。そして、アリスの肩をぐっと掴んだ。
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