2.合同任務

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(あれ以来、ブレント様と会話はしていないけれど……)  どうしてか、自然と彼の姿を目で捜し、追うようになってしまった。彼を見かけると一日ハッピーで過ごせるし、逆もしかり。  そんな状態のアリスを、クリスタが面白がっているのは容易に想像が出来る。 「部隊長であるブレント様は、きっと合同任務に参加される」 「……そ、っか」  そう言われても、アリスがその合同任務に参加できるわけがない。だって、自分は所詮新米騎士なのだから。 「って、そんな気落ちした表情をしないの! 多分私の予想が正しかったら……」 「正しかったら?」 「一人だけ、新人も選ばれるはずよ、合同任務に!」  ぱちんとウィンクを飛ばして、クリスタが笑う。そのため、アリスは目を見開いた。 「え、でも……」 「社会経験っていうの? 今までの記録を調べてみたら、絶対に合同任務に新人が一人は突っ込まれているのよねぇ」  何処か遠くを見つめつつ、クリスタがそうぼやく。彼女の声は何処となく楽しそうであり、アリスは少し肩をすくめてしまった。 「だけど……。社会経験を積むのならば、私よりもいい人がたくさんいるわ。……だって、私……」  クリスタに対してこそ、こういう風に話せるようになった。だが、ほかの人と話す際はまだまだ挙動不審になってしまう。  そんなアリスが、重要な任務を任せる人物に選ばれるわけがない。
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