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幽霊から来た手紙
ヤスオへ
久しぶり。元気か?
俺は元気だよ。
俺のあげた万年筆、今も使ってくれてるみたいでよかった。机に転がってたこの万年筆とメモ用紙のおかげで、俺は今こうして手紙が書けてる。
勝手に部屋に入ったことは謝るよ。お前の部屋、わりと整理されてて意外だ。作家志望の部屋って、もっと本が散乱してたり、原稿用紙が散らばってたりするもんだと思ってた。やっぱり実際に見てみるって大事だな。
一度お前の顔が見たくて来たけど、留守ならしょうがない。この手紙を残していくから、気味悪がって捨てたりしないでくれよ。
ジュンより
ジュン
お前、本当にジュンなんだな。
机の置き手紙を見たときは本当に驚いたし、混乱もした。まさかここにストーカーでも入ったのかと思ったよ。それに最後の署名を見て、怒りが湧いた。まだ気持ちの整理もついてないんだ、からかわないでくれ、って。
でも、考えてみればそれしかないんだよな。お前が俺に万年筆をくれたときは、たまたま二人きりの帰り道だったし、その後俺はそれを大事にしまって、誰にも見せていない。あの万年筆のことを知っているのは、お前しかいないんだ。
お前は2週間前に死んだ。でもこうしてここに、置き手紙をしにきた。
お前、もしかして幽霊にでもなったのか?
確かめようにも、お前に聞く手段がないからどうしようもない。
お前がまたこの部屋に戻ってきたときのために、この手紙を置いておく。
お願いだから、もう一度来てくれ。またお前と話がしたいんだ。
ヤスオ
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