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「本当は嫌だったらやめていいですからね……僕のわがままに付き合わせてしまってすみません」 「えっ……どうして?」 「この様子を客観的に考えたらおかしいじゃないですか……自分のトラウマを克服するために、好きな人にこんなことをさせているんですから……」 「……そんなことないよ。だって瑠維くんはそのトラウマを乗り越えようとしているんだもの。私だって好きな人の助けになりたいって思ってるの……だからそんなふうに思わなくていいんだよ」 「……ありがとうございます」  春香は顔を歪ませると、瑠維の首に腕を回して抱きついた。 「それに私ね、あの人に怒ってるの。瑠維くんにこんな酷いことをしたくせに、どうして未だにのこのこ現れるのか、本当に許せない」 「……きっとあの人にとっては数ある出来事の中の一つにすぎないのかもしれません。やった方よりやられた方が覚えているって」 「だとしても、瑠維くんはまだあの苦しみに囚われたままなのに、普通に生活しているなんておかしいよ……」  瑠維はキョトンとした顔をしてから、下を向いて吹き出した。 「いえ……春香さんにキスがしたくなりました」 「えっ⁈ な、なんで⁈ いきなりどうしたの⁈」 「僕は春香さんを好きになった自分が誇らしいです。春香さんと出会えて本当に良かった……」 「や、やだ! 照れるからやめて……あっ……!」  急に褒められたことが恥ずかしくて、春香は両手で顔を覆って宙を仰ぐ。その隙をつかれ、瑠維は目の前に現れた春香の胸にかぶり付き、舌で尖端を転がし始めたのだ。  最初に胸を弄られてからずっと体は火照り、瑠維のとろける表情や震える体を見ながら蜜が溢れ、更に体の奥の方がぎゅっと締め付けられるような感覚になっていた。  そんな状況でこんなことをされては、もう気持ちを抑えることは出来ない。  限界なのは私も同じーー春香は腰を上げると、瑠維の位置を確認しながら、ゴクリと唾を飲み込んだ。
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