秘密

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 ユヅは窓から外を覗く。ここより高い建物がないから、向こうの方まで、だからきっと、花火もよく見える。  もっと近くでみたい。けど、体の悪い私は外には出られない。  フユちゃんに相談してみようかな、と部屋を抜け出そうとすると、目の前でドアが空いた。  「兄様」  兄のルイが顔を覗かせた。  「どうかしたか?」  想定外の事で焦って何も浮かんでこない。  「何もないなら、いっしょに来てくれないか?」  薄暗くなった屋上に出る。  「大丈夫なの?」  本来は鍵がかけられているが、祭りだから誰もいない。  とそこで渡したのは小さな花火セットだった。  「小さいけどな」  だが、ユヅは楽しそうに花火を始めた。。
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