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「いや、悪いけど今回の主人公は歌桜だから」
スパッと、一刀両断。
さっきよりも、
ますます真剣な表情の南朋くん。
「............っ、ぅ、でも、花木さんの方がっ!」
そこまで口にしたところで、
トンッと、優しく私の唇に置かれた南朋くんの指。
言葉の続きの〝絶対いい!〟
それを言わせないような南朋くんの指。
「花木花木って、
そんなに、歌桜は自信ないわけ?」
そう問いかけて来たのと同時、離された指。
「......っ、ぅ、自信なんて、ないよ、最初から」
〝劇団〟に入った理由だってものすごく単純。
──────好きな人と。
南朋くんと一緒にいたいから入っただけ。
舞台の中央でキラキラ輝く、
圧倒的に、主人公が似合う南朋くんとは違って。
私は............〝脇役〟でしかないから。
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