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ペラペラと周りに吹聴するようなことではないだろう。ましてや、初めて会った人になんて特に。
雲の上の人だわ……。
要人警護を行うSPは高い警護技術が求められ、警察官の中でも誰でもなれるものではないと以前テレビで見た。
SPとしての条件や適性を認められ、上司の推薦も必要で、特殊な訓練を受けても全員がSPになれるわけではない、とその番組では言っていたのだ。
警察官の中でも、エリート中のエリートがSPなのだと。
そんな立場だから、亜由美にも優しくしてくれたのだし、頑なにお礼を拒むわけだ。
むしろ、そんな人がたまたま通りかかって助けてくれたことこそが、ラッキーなことだったのだ。
「そっか……」
素敵だと思っても、手が届くような人ではなかったのだ。
そう思うと、また少しだけ泣きそうな心地になった亜由美なのだった。
──経費計上はシステムから。
何度もそう通達を出してもらっているのに、一部の社員だけが守らない。
自分達にとって都合よく処理をしてくれること。それが亜由美達、経理課の仕事だろうと思っている節すらある。
経理課の業務は経理を管理することで、計上された会社のお金を正しく分類するのが仕事だ。
まずは計上してもらわなければ業務ができないものなのだが、なかなかそこを理解してもらえない。
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