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「ドラちゃん、お風呂入ってきなよ。さっきお湯張っといたから。」
なんとひなた、気が利くではないか。ますます好きになりそうだ。
「ドラちゃん、服全部脱いで入るんだよ? ドラちゃんの服、高そう。クリーニングに出しておくから、上がったらこれ着て?」
ひなたはTシャツとパンツとスエットのズボンを渡してきた。
「それと、タオル。なかにボディウォッシュあるから、よく洗ってね。」
にっこり笑うと、私を脱衣所に入れた。
勇気を出して服を脱ぐと、湯けむりの立ち上るドアを開ける。ボディウォッシュの扱いに苦労したが、すみずみまで身体を洗うと、おそるおそる湯に足を入れてみた。
「おお! これは!」
すぐさま、肩まで湯に浸かる。
「極楽ではないか! この世のものとも思えぬ心地よさ!」
「ドラちゃん、お湯加減どう?」
ひなたが外から声を掛ける。
「最高である。ひなたよ、感謝申す。」
うふふ、とひなたが笑う声がする。
「上がってきたら、いいもの用意しとくね。」
私ときたら、すっかり夢見心地になってしまった。
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