ピリオド 1

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「響⋯⋯好きだよ。すげえ好き、離さない」 「おれも、大好き、先輩⋯⋯」  甘い吐息と、荒い息づかい。  深く交わるほどに濡れていく唇。  互いの身体をまさぐり、乱れていく服。  夏海は、心臓が締めつけられるような痛みを覚え、胸を押さえた。  ドアノブを握りしめる手はじっとりと汗ばんでいる。  蒼井が響の尻を両手で鷲掴みにした。  下半身を密着させ、揉みしだく。 「⋯⋯響、しよ」 「だから、部屋に」 「我慢できない、ここでしたい」  熱に浮かされたふたりが囁く言葉の意味は、夏海には理解できない。  しかし、まだ7歳のかれにも、はっきりわかることはあった。  響にいちゃんが男とキスしてる。  どうしてあんなのと?  彼氏⋯⋯ちがう、そんなわけない。  おれの響にいちゃんにあんなことするなんて⋯⋯許せない。
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