36人が本棚に入れています
本棚に追加
「響⋯⋯好きだよ。すげえ好き、離さない」
「おれも、大好き、先輩⋯⋯」
甘い吐息と、荒い息づかい。
深く交わるほどに濡れていく唇。
互いの身体をまさぐり、乱れていく服。
夏海は、心臓が締めつけられるような痛みを覚え、胸を押さえた。
ドアノブを握りしめる手はじっとりと汗ばんでいる。
蒼井が響の尻を両手で鷲掴みにした。
下半身を密着させ、揉みしだく。
「⋯⋯響、しよ」
「だから、部屋に」
「我慢できない、ここでしたい」
熱に浮かされたふたりが囁く言葉の意味は、夏海には理解できない。
しかし、まだ7歳のかれにも、はっきりわかることはあった。
響にいちゃんが男とキスしてる。
どうしてあんなのと?
彼氏⋯⋯ちがう、そんなわけない。
おれの響にいちゃんにあんなことするなんて⋯⋯許せない。
最初のコメントを投稿しよう!