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――カアカア
四人が振り返ると、烏がこちらを見て鳴いていた。
「あれって、リッちゃんの使い魔じゃない?」
陽向が奇妙な名前を口にする。
烏は飛び立つと、祐介の伸ばした腕に止まった。
(この烏……どこから入って来たんだろう)
ここは地下。
窓もない場所からどうやって入って来たのか。
沙希は頭にハテナマークを浮かべていると、ある一点に目が留まる。
「あれ? この烏の背中に巻物を背負っている」
烏の背中には、古風な巻物を背負っていた。
祐介は烏の背中から巻物を取り外すと、烏は用が済んだかのように飛び立ち、壁に現れた空洞を通って消えた。
「消えた……」
先ほど現れた空洞から通って来たのだと納得する沙希。
「…………」
烏が飛んで行くのを見届けると、祐介は広げた巻物の内容を黙々と目を通す。
「相変わらずリッちゃんはアナログだね~」
「……陽向、すぐに異界に行くぞ」
祐介は巻物から顔を上げると、陽向に視線を向ける。
「え、何で急に?」
「凛から早急に異界に来るようにと、書かれている」
「リッちゃんに何かあったの?」
「いや。とにかく急ぎの報告があるそうだ」
そんな祐介と陽向のやり取りを見て、沙希はどうしたのか声を掛ける。
「あ、あの……何かあったんですか……?」
沙希は話が全く見えないでいると、陽向が沙希に視線を向け、「そうだ!」と何か閃いたように手をポンと鳴らす。
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