第二十四話 異界へ

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「ねぇ、風夜は凛さんのこと知っているの?」 「まぁ……知っているけど、もう何年も会ってないからな」 「じゃあ、今日は久しぶりに会うんだね。やっぱり、天狗といったら、羽の生えた鳥人みたいな感じかな?」 「会えばわかる。多分……あいつに会ったら、びっくりすると思うぜ」  視線を逸らしてそう呟く風夜に、沙希の頭にハテナマークが浮かぶ。 (びっくりするって……? 凛さんってどんな人なんだろう)   ✿ ✿ ✿  橋を渡り終えると、城下町のようなところに辿り着いた。 (すごーい! 珍しいお店がたくさんあるー!)  沙希はすっかり観光客気分になって、周りにあるお店を見回す。  城下町は人通りが多く賑やかなところだった。  ここにいる者たちは皆妖怪だが、見た目が人に似ているからか沙希は全然恐怖心がなかった。  和菓子店や呉服店、ガラス細工店などの様々なお店があり、沙希を楽しませた。 「おい、沙希。うろうろするな。迷子になっても知らねぇぞ」 「大丈夫だって!」 「さっきまでのビビリはどこに行ったんだ……?」  風夜の注意を聞き流し、周囲を見回しながら歩いて行くと、沙希は右方にある店が目に留まった。 (何だろう……)  興味本位で近づいて見ると、そこは飴細工店だった。  動物や花など、様々な飴の造形物が並んでいた。
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