第二十八話 訪問

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「ダメだよ。私たちはこれから南雲さんの家に……」 「食べたぁーい! 食べたぁーい!」  風夜は駄々をこねる子供のように、前足をパタパタさせる。  沙希はこのまま無視してコンビニを通り過ぎようとしたが、風夜は負けずに連呼する。 「さーきー、アーイース!」 「あー、はいはい。わかった、アイスね」  結果、何度も粘る風夜に折れた沙希は、コンビニの方に歩き出す。 「よし……俺、ガ●ガ●くんがいい」 「しょうがないな……。まぁ、まだ時間あるし……じゃあ、私はスー●ーカップにしようかな」   ✿ ✿ ✿  アイスを食べ終えた後、沙希は再び南雲宅に向かう。  スマホと今歩いている道を見比べながら歩いて行くと、閑静(かんせい)な住宅街に辿り着いた。 「ここじゃね?」  風夜の視線に顔を向けると、灰色の煉瓦(れんが)でできたマンションがあった。  マンション名を確認すると、メモに書かれている名前と一致していた。 「あった」  祐介が住居しているマンションだと判明し、風夜は沙希の肩から飛び降りると人型に戻る。  そして、エレベーターに乗り、祐介が住居している階に上がって行く。
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