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「いいえ……僕の眷属と駆けつけた時には、もう妖気が消えていて、痕跡も残っていませんでした……」
「そうですか……」
「我々も引き続き犯人の捜査を行います。祐介たちには下界の捜索を願います」
凛丸はその場の四人の顔を見渡し、軽く一礼をする。
「わかった。西山さん、いきなりこんなことになってしまったけど……協力してくれるか?」
異界へ行く前に、きちんと説明しなかったことを申し訳なく思っているのか、祐介は戸惑いの顔を見せる。
「もちろんです! 風夜も頑張って犯人を捕まえようね」
「俺に振るなよ……。第一その犯人がどこにいるかもわかんねぇじゃん」
「それをこれから、南雲さんたちと協力し合って、犯人の居場所を突き止めるんでしょう」
「面倒くせぇことになったな……」
やる気満々な沙希に反して、風夜は気怠げに呟く。
「あたしも協力させて」
振り向くと、真剣な顔をした和葉の姿があった。
「お願い。皆にとっては、足手纏いになるかもしれないけど……」
和葉の懇願に、凛丸は反対する素振りもなく、微笑を浮かべてこう言う。
「そんなことはありませんよ。大切な人を思う気持ちはよくわかります。こちらこそ、ぜひお願いします」
「っ! ありがとう!」
和葉はパッと顔を明るくすると、深々と頭を下げる。
次の日から、沙希と風夜は祐介たちと協力して、下界の捜索が始まった。
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