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「お前はペットみたいなものだろ」
「ナチュラルにドS発言しないでよ! この鬼畜! そんなんだから、いつまで経っても嫁ができな――」
ガン!
「があっ!」
地雷を遮るように、祐介は陽向の頭に拳を入れる。
「うぐぅ……」
陽向は頭をテーブルに突っ伏したまま動かなくなった。
祐介はハッとした顔で沙希と風夜の方を見る。
「すまない。見苦しい光景を見せたな……」
顔を赤くしながら自分の頭を撫でる祐介。
「いいえ。仲良いいんですね」
そう言うと、祐介は安堵の表情を見せる。
✿ ✿ ✿
祐介の家で昼食を済ませた後、沙希たち四人はマンションの階を下りていた。
「あの、南雲さんどこに行くんですか?」
先頭を歩く祐介に訊ねる沙希。
「ここから車で三十分くらい先に祖父母の家があるんだ。そこで、神器の使い方を教えるから」
「え! いいんですか⁉︎ 親戚でもない私たちが上がり込んで……」
戸惑う沙希に、陽向が「大丈夫だよ!」と口を挟む。
「ユウのおじいちゃんたち一ヶ月の間、旅行でおれたちに留守番を任せたんだ。お嬢たちのことを話ししたら、二つ返事でオッケーしてくれたよ!」
それを聞いて、沙希はホッと息を吐いた。
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