第二十三話 訪問

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  ✿ ✿ ✿  祐介が運転する車で約三十分。  (かわら)屋根の一軒家に辿り着く。  中に入ると、左右に小さな芝生の庭、前方には瓦屋根の家屋がある。 「さ、どうぞ。上がって」 「お、お邪魔します」  誘導する祐介に続いて、沙希はキョロキョロと玄関を見回しながら上がる。  見た感じ、何の変哲(へんてつ)もない普通の家に見える。  ここで、どうやって神器の使い方を学ぶのか疑問に思っていると、祐介が一つのドアを開けた。 「ここから下に行くと、地下があるんだよ」  陽向の言葉に沙希は目を丸くする。 「え! 地下があるんですか!」 「すげぇな……」  この家の構図に、沙希と風夜は驚きを隠せないでいた。 「足元に気をつけて」  祐介は振り返って沙希と風夜に注意してから、地下に繋がる階段を下りて行く。  初めて入る一軒家の地下に、沙希は緊張な面持ちで足を踏み入れた。  長い階段を下り、程無く地下に到着すると、祐介は壁に設置してある照明のスイッチを押す。 「わああっ……」  照明がついた途端、沙希は思わず声を上げてしまう。  目の前に広がる部屋は二十四畳くらいの広さがあり、壁面が鏡でできていた。  まるでダンススタジオのような光景だった。
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