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祐介が運転する車で約三十分。
瓦屋根の一軒家に辿り着く。
中に入ると、左右に小さな芝生の庭、前方には瓦屋根の家屋がある。
「さ、どうぞ。上がって」
「お、お邪魔します」
誘導する祐介に続いて、沙希はキョロキョロと玄関を見回しながら上がる。
見た感じ、何の変哲もない普通の家に見える。
ここで、どうやって神器の使い方を学ぶのか疑問に思っていると、祐介が一つのドアを開けた。
「ここから下に行くと、地下があるんだよ」
陽向の言葉に沙希は目を丸くする。
「え! 地下があるんですか!」
「すげぇな……」
この家の構図に、沙希と風夜は驚きを隠せないでいた。
「足元に気をつけて」
祐介は振り返って沙希と風夜に注意してから、地下に繋がる階段を下りて行く。
初めて入る一軒家の地下に、沙希は緊張な面持ちで足を踏み入れた。
長い階段を下り、程無く地下に到着すると、祐介は壁に設置してある照明のスイッチを押す。
「わああっ……」
照明がついた途端、沙希は思わず声を上げてしまう。
目の前に広がる部屋は二十四畳くらいの広さがあり、壁面が鏡でできていた。
まるでダンススタジオのような光景だった。
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