第二十三話 訪問

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「陽向」 「オッケー!」  陽向は声を弾ませながら立ち上がり、祐介の隣に並ぶ。 (え?)  沙希は祐介の隣でニコニコ笑う陽向を交互に見る。  何が始まるのだろうと思い、沙希は彼らの行動を待つ。 「陽向」 「はーい!」  祐介が隣にいる陽向へ拳銃を(かか)げた。  すると、陽向は白い光に変わり、祐介の握っている拳銃に包み込んでいく。  白い光が晴れると、握られている拳銃の銃口と細部がアップグレードしたかのように変化していた。  刹那と闘争した時で見た拳銃そのものだった。 「形が変わっている……」 「この術は、神器に式神の霊力を憑依させる〝合神術(ごうしんじゅつ)〟。式神の霊力を神器に憑依させることで、形状だけではなく、力も上昇させることもできる」  祐介が説明し終えると、拳銃から白い光が放たれ、元の形に戻る。  その白い光は、祐介の隣に並ぶと瞬時に陽向が姿を現す。 「シンプルに神器だけで戦わなくても、この術を会得すれば強敵な鬼神とかイチコロだよ。お嬢もやってみなよ」  陽向はニコリと笑って提案する。 「わ、私にもできますか?」 「やってみるか?」 「はい!」
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