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「お父さんがいるかどうかは別として、合宿に来ているんだから友達のことが書かれていてもいいのにと思ったんだ」
「あっ」
そう言われればそうかもしれない。
初日はキャンプファイヤーをしたと書かれていたけれど、具体的な内容は書かれていなかった。
友達の誰と遊んだとか、一緒に勉強したとか、そういう内容ではなかった。
それどころか【みんなは遊んでたけど、僕はぜんそくの発作が出たから休んでた。】と、書かれていたのだ。
そして少年が喘息で休んでいたときに一緒にいたのは、友人ではなく、先生だった。
遊びたい盛の子供にとっては、少しひっかかることかもしれない。
【8月1日。
合宿最終日。
今日で終わりかぁと思って、外で日記を書いてたら、クラスの子に声をかけられた。
みんなが僕に話しかけてくれることなんてあまりないから、嬉しくて、「ついてこい」って言われて素直にしたがった。
そしたら、この部屋に入れられちゃった。】
合宿最終日の日記にしていきなり雰囲気が変化している。
私は自分の心臓が早鐘を打ち始めるのを感じていた。
このまま日記を読み勧めていいのかどうかわからない。
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