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これ以上読むと、この少年のプライバシーを侵害してしまうことになるんじゃないかと、不安になる。
だけど、読み進めないとここでなにがあったのかもわからないままだ。
「大丈夫?」
私は呼吸することも忘れてしまっていることで、修が心配そうに顔を覗き込んできた。
「無理そうなら、ここから先は俺1人で読むけど」
修の優しさについ甘えてしまいそうになる。
だけど私は左右に首を振った。
「大丈夫。私も一緒に見る」
自分だけ逃げるわけにはいかない。
初日にこの部屋に入ってしまったのは修ではなく、私なんだから。
「そっか。無理はしなくていいから」
私は頷き、そしてまた少年の日記に視線を落としたのだた。
【この部屋は和室で、あまり使われてないみたい。
外からみんなの声が聞こえてくる。
「下山するときにお前がいたらじゃまなんだよ」って言ってる。
やっぱり、そうだったんだ。
山を登っているときも僕だけ遅れてたから、みんなめいわくしてたんだ。】
やっとクラスメートの話題が出てきたと思ったら、それは胸が苦しくなるような内容だった。
【ドアが何度もけられて、すごい音がしてる。
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