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「うるさいぞ手下ども! さっさと次の質問に移れ!」
色めく手下たちを魔王が締める。なぜか、少しだけ顔が赤い。
「は、はい! ですが次の質問②は……」
「あぁ、そういえばそうだったな。質問②『その好きな人は魔王サイドですか?』は飛ばしてくれ」
は? は、何それ。そんな男子中学生みたいな質問用意してたの? 魔王が? ほとんど修学旅行2日目の夜のノリなんだけど?
女が唖然とする間に次の質問が投げかけられる。
「質問③。筋肉質な男子は好きですか?」
いや男子中学生じゃん、もう。くだらな。
警戒していた分一気に脱力してしまった女。もういいやと思い、適当に自分の意見を答える。
「まぁ、ヒョロヒョロよりはいいんじゃない? 『はい』で」
「ほう……そうか」
筋肉質な腕を身体の前で組み、なぜかモジモジする魔王。……その態度に、女はある一つの可能性に気付く。
え、嘘だよね? そんなまさか。
「質問④。敵同士から始まる恋はアリだと思いますか?」
「……えっと、ロマンチックで悪くはないんじゃないか? 『はい』で」
「ふーん……そ、そうなんだ。へぇー」
いつのまにかトマトの如き赤さの魔王の顔。え、やだやだ。マジで? マジでそういう感じ?
「これいけますよ、魔王様」と手下たちが囁く声が聞こえた。
あ、マジなやつだこれ。
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