1:冒険の長い始まり

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「本当にこんな美味しいスウィーツは初めて!ほんっとうにありがとうございます。」 そういって私達は、ビスケットちゃんとサブレちゃんのご両親である、マドレーヌさんとモンブランさんに感謝した。 「いいんですよー。娘達の友達になって頂いて、とても感謝してますよー。ね?あなたー」 「ああマドレーヌ。私も感謝しているし、何よりスウィーツをこんなに美味しく食べてもらうと嬉しいな」 マドレーヌさんもモンブランさんも、超有名一流パティシエだ。 一生に一度でも食べられたらラッキーっというような噂を聞いたことがある。 それもストーン王国で… 隣国といっても、ストーン王国はほとんど噂が回ってこない。 ストーン族は変化を嫌う。らしい まあ私は全然そんなことないんだけど‥ だから、周辺の国ですらほとんど交流をしていないのが現状だ。 昔、スウィーツ王国の王様がストーン王国との交流を盛んにしようとしたりして、国境も自由に超えられるようになったけれど結局誰もスウィーツ王国に来ることはなかったんだよね。 まあだから私が気軽にここに来られて良いんだけど。 そんなストーン王国まで噂がくる、というのはものすんごくすごいことだ。 そんなスウィーツを食べられるなんて、幸せだな……… シオンにも食べさせたかったけど、まだシオンは意識がもどらない。 もうすでに霊なので死ぬことはないけれど心配だ。 「そういえば」 ビスケットちゃんが口を開く。 昨日ビスケットちゃんが王女様にお菓子を届けに行ったそう。 それで状況を説明して王女様に頼んでみたのだけれど、ちょうど王子様が不在だったみたい。 だけど王女様は絶対弟を説得するから!と言っていたそうで… 次の休日、つまりは明後日の土曜日に私達を連れてきてとのことだった。
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