第二ラウンド

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 そっとタオルケットを手放して、本体に抱きつく。ああ、あたりまえだけど、やっぱり。 「同じ匂い」 「身体、ちゃんと洗った気なんだけど……」 「そういう意味じゃなくて! ……終の匂い、好き」 「なんか、調子狂う」  終が私を押し倒すようにして、ごろんと寝そべったので、そっとキスをする。 「……今日、どうしちゃった訳?」 「このあいだの反省を踏まえて、素直になることにした」  最中にやたら「素直に」だの「力を抜いて」だのと言われたことが、なんだか印象に残って。私はそんなにガッチガチだったんだろうか。  確かに、普段から武装はしているけれど。いろんな意味で。 「ふうん……」  もう一度抱きつくと、終はゆっくり抱きしめ返してくれた。安心して胸に顔をうずめる。 「私がこんな風に甘えるの、終だけだよ。他の人には、恥ずかしくてできない」  できなかった。可愛くない女って、何度も何度も言われた。可愛いよりも強く美しくありたかったから、気にしてないつもりだったけど。なぜだろう、終の目には可愛く映りたいと思ってしまう。
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