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「野外授業の承諾書、明日までですよ。忘れないように」
慌てて、鞄の底から出したくしゃくしゃになった承諾書を、ヨーク先生に提出しているクラスメイト達を尻目に、ロビンはブロンドの巻き毛を水色の帽子でぎゅっと押さえ、教室を出た。
「廊下を走らない!」
「……メイヤ先生、すみません。急ぎの用事があって」
「それは、この甘い誘いかしら?」
メイヤ先生が、ロビンのポケットから落ちたチラシを拾って笑みを浮かべた。
「今日はピートのお店が来る日なのね。帰りの会、みんながやけにそわそわしてると思った。でも、廊下は走っちゃいけません。低学年の子達のお手本になってもらわなくては」
「はい。すみませんでした」
メイヤ先生は気をつけて帰りなさいと言って職員室に入って行く。
「ロビン! 早く行かないと無くなるよ!」
「あっ、やばい」
クラスメイトのクエナと一緒に学校を出た。
水曜日と週末、学校の近くにある公園広場で市場が開かれる。子供や若者を夢中にさせている屋台があった。
「ロビン、滑って行った方が早いよ」
「そうしよう!」
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