都市伝説展のコックリパッド

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 お盆が明けてしまった。あと二週間ほどで、また学校に行かなくちゃいけなくなる。そう思っただけで、胃の中に重い石でも載せられたように重く感じ、頭の中がかき混ぜられるように気持ち悪く感じてくる。  学校にはもう行きたくない。  そう言えればいいのだけれど、厳格で学歴などに厳しいお父さんに、「お前の心が弱い。嫌なことから逃げるな」との説教を喰らうのがオチだ。お母さんもお父さんに逆らえないから、完全に二対一で僕には分が悪すぎる。  結局僕は逃げ道もなく、また学校に行くしかないんだ。  小学校では友だちが多いわけではなかったけれど、一緒に遊ぶ友だちはそれなりにいた。それが中学校に上がった頃から、いわゆるガリ勉タイプだった僕はクラスの一部から嫌がらせを受けるようになっていった。  最初は授業中に消しゴムを千切ったものを投げつけられる程度だったけれど、教科書に落書きをされたり、上履きを隠されたり、体育ではバスケットボールでパスを回してもらえなかったり、あることないこと噂されたりするようになった。そして、いつの間にか僕の周りには友だちはいなくなっていた。 「秀樹、どうかしたの?」 「あ、いやなんでもないよ。買い物が終わったんなら、早く帰ろうよ」  お母さんがレジをしている間に考え事をしていて、意識が明後日の方に飛んで行っていたみたいだ。呆けた表情をお母さんに見られたのが恥ずかしくて、誤魔化すように少し口調が強くなってしまった。  立体駐車場への連絡通路を渡るために、地下の食料品売り場からお母さんと一緒にエスカレーターを上がっていく。
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