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それを踏まえて、密かに「反撃」の機会を狙っていた子供たちに、チャンスが訪れる。終戦が近づき、科学者たちは子供たちを放っておいて、隠ぺい工作の準備にかかりきりになり始めたのだ。当然、監視の目も緩くなる。そうなれば、「力」のある自分たちの方が有利だ。
そして終戦の日を迎え、地下室や周囲からも兵士たちの姿が消えたのを確認し。子供たちも「行動」に出た。子供たちは自分たちの持つ能力――読心術、サイコキネシス、テレパシー能力などを駆使して、科学者への反撃を開始。それまで自分たちに逆らうことのなかった「従順な子供たち」の猛攻に、科学者たちは成す術がなかった。
科学者たちは許しを請い、子供たちを「解放する」と約束した。だが子供たちの目的は自分たちの解放ではなく、これまで虐待を続けて来た科学者たちへの「復讐」だった。科学者たちに「勝利」した子供たちは、行くのを禁じられていた「廊下の奥」にあるものを知り、そこで「何が起きた」かも悟って。捕らえた科学者たちを順番に、地下室の奥にある焼却炉で「処分」していった。
更に子供たちは、自分たちを「迎えに来た」トラックの運転手を捕らえると。その行先、そして「指示をした者」を聞き出した。それから子供たちは、連絡先を突き止めた関係者たちに告げた。「ここで起きたことは、全て内密にせよ」と。
その特殊能力によって、科学者たちが全員「処分」されたことを聞かされ。自分だけでなく家族などの身も危うくなると悟った政府や旧軍隊の関係者たちは、その条件を飲んだ。こうして山奥の実験室は、子供たち10名が「自由を勝ち取った地」として、公にされることなく、そのまま「維持」されることになった。実験室の実態が「封印」されたのは、そして谷津崎が情報を聞き出した「協力者」が条件を出したのは。自分たちの悪行が公に出ることではなく、子供たちの「復讐」を恐れていたからだった。
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