溢れる恋情

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「蓮、他の人の目は誤魔化せても、俺の目は誤魔化せないぞ。」 「バレたか。」 「そもそも隠す気ないだろ。」 「ご名答。」 「まったくお前は…」 真守は溜息を漏らした。 「自分でも抑えが効かないんだよ。」 「あら?蓮くんの発言とは思えない。」 「面白がってるだろ。」 「うん笑」 真守は微笑んだ。 「まさか、蓮が陽斗に本気になるとはなぁ。リーダーの俺もびっくり。」 「俺が一番驚いてるよ。」 「んはっ、だろうな。で、昨日はやりまくったのか?」 「ご想像にお任せします。」 「蓮くん、顔がニヤけてる笑」 「煙草吸ってくるわ。」 「あ、誤魔化した。」 「うるさい笑」 「俺も恋したいなぁ。」 「案外、わるくないぞ。」 「変わったな、蓮。」 だとしたら、あいつのせいだな。 なのに、俺を変えた陽斗は、今日もカメラ越しに愛想を振り撒いている。 また俺を嫉妬させて、懲りない奴だ。 「むかつく。」 「ん?」 「声に出てた?」 「出てた。」 「やばいな、俺。」 「いいんじゃない?アイドルだって人間よ。恋だってする。」 「そうだな。」 「で、今夜も熱い夜を過ごす予定で?」 「だとしても、真守には言わない。」 「それ、もう言ってるから。蓮くんは不純ですね~」 「真守もだろ?」 「俺、最近、健全なのよ。」 「へぇー。」 「おい!なんだその反応は。」 「真守に一番似合わない言葉を聞いたから、つい。」 「蓮、俺のことなんだと思ってる?」 「万年発情期。」 「まぁ、否定はしない。」 すると、そこへ撮影を終えた陽斗がやってきた。 「2人で楽しそう。ずるい!俺も混ぜて!!」 「陽斗こっちおいで。」 「おい、真守。」 「俺にまで嫉妬するなんて、蓮、格好わる。笑」 「ああ、もう知らねぇ。」 「蓮も一緒に話そう?」 俺の気持ちなんか気づいてないであろう陽斗が優しく微笑んだ。 俺はこの顔に弱い。 これが惚れた弱みというやつか。 俺は今夜も陽斗を抱くだろう。 俺たちは、アイドルだけど不純だ。
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