60人が本棚に入れています
本棚に追加
レイラの言ったとおり、元カフェだったらしいスペースを抜けて扉を開くと屋上が広がっていた。海風が強い。左側にはみなとみらいの夜景、右側には世界公園の濁った光が見える。
「奴らはどこだ?」
ラズが言いながら視線を巡らせる。
「あっちよっ!」
レイラが指差す方向に、ミニヘリ型ドローンが2機停まっていた。おそらくマンバやサーペン達も逃げることを想定して用意したのだろう。
そのうち一機のプロペラがまわっている。そして、浮かび上がった。
「待てっ! 逃がすかっ!」
ラズが駆けよっていく。レイラが続く。最後にマサヤも走った。
ミニヘリは高度を上げていくが、海風を受けているため左右に揺れていた。その分上昇スピードは遅くなっている。
ラズが発砲する。レイラも撃つ。だが、弾丸は機体に跳ね返るだけだった。
このまま更に上まで飛んだら、このビルも地獄遊園地も破壊される……。
「どうした?!」
ダイゴが駆けよってきた。
「ちょうどいい、ダイゴ。私をあのヘリに向かって飛ばしてくれ」
ラズが言った。ダイゴが全て合点がいったように頷く。
「私もお願い、ダイゴおじさん」
レイラがウインクする。
最初のコメントを投稿しよう!