SCENE33  元ワールド・ポーターズビル 5階フロア~屋上

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 「おじさ……?」戸惑うダイゴ。「あんた、さっきから一緒にいるが、レイラだろ? あいつらの……」  「彼女は味方だよ、ダイゴ。詳しいことは後で説明するけど」  怪訝な顔をしたダイゴにマサヤが声をかける。  「そりゃあ良かった。かわいこちゃんは味方に限る」  嬉しそうなダイゴ。  「かわいこちゃん、って言葉使う人、ホントにいるんだ……」  レイラがキョトンとしている。  「急げっ!」  ラズが急かす。  「よし、来いっ!」ダイゴが走った。「2人とも、俺の肩を踏み台にしろ。俺も跳ぶから、タイミングを合わせてな」  「了解っ!」  ラズとレイラが同時に応える。そしてダイゴを追って走り出した。  固唾を呑んで見守るマサヤ。  少しずつ上昇を続けるヘリの斜め前まで行くと、ダイゴは低い体勢になりこちらを見る。  ラズが右、レイラが左、と飛び上がって彼の肩に足をのせる。それを受けると同時にダイゴがジャンプした。巨体でしかも女性とはいえ2人を肩に乗せてなのに、凄いジャンプ力だ。  「行けっ! 2人ともっ!」  ダイゴが怒鳴るように言った。  ラズとレイラがダイゴの肩から更に跳ぶ。  宙を舞うようにして、2人がヘリの前に出た。一瞬だけだが、それでも彼女たちにとっては充分だった。  窓の向こうで、ニノミヤとトムソンが驚愕の表情をしている。  「地獄へっ!」とラズが吠える。  「落ちろっ!」とレイラが続く。  2人の銃が同時に火を噴いた。狙いはローターの継ぎ目。僅かの間に弾丸が尽きるまで撃つ。精度が高い上に早撃ちが得意な2人だからこそなせる技だ。
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