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「おじさ……?」戸惑うダイゴ。「あんた、さっきから一緒にいるが、レイラだろ? あいつらの……」
「彼女は味方だよ、ダイゴ。詳しいことは後で説明するけど」
怪訝な顔をしたダイゴにマサヤが声をかける。
「そりゃあ良かった。かわいこちゃんは味方に限る」
嬉しそうなダイゴ。
「かわいこちゃん、って言葉使う人、ホントにいるんだ……」
レイラがキョトンとしている。
「急げっ!」
ラズが急かす。
「よし、来いっ!」ダイゴが走った。「2人とも、俺の肩を踏み台にしろ。俺も跳ぶから、タイミングを合わせてな」
「了解っ!」
ラズとレイラが同時に応える。そしてダイゴを追って走り出した。
固唾を呑んで見守るマサヤ。
少しずつ上昇を続けるヘリの斜め前まで行くと、ダイゴは低い体勢になりこちらを見る。
ラズが右、レイラが左、と飛び上がって彼の肩に足をのせる。それを受けると同時にダイゴがジャンプした。巨体でしかも女性とはいえ2人を肩に乗せてなのに、凄いジャンプ力だ。
「行けっ! 2人ともっ!」
ダイゴが怒鳴るように言った。
ラズとレイラがダイゴの肩から更に跳ぶ。
宙を舞うようにして、2人がヘリの前に出た。一瞬だけだが、それでも彼女たちにとっては充分だった。
窓の向こうで、ニノミヤとトムソンが驚愕の表情をしている。
「地獄へっ!」とラズが吠える。
「落ちろっ!」とレイラが続く。
2人の銃が同時に火を噴いた。狙いはローターの継ぎ目。僅かの間に弾丸が尽きるまで撃つ。精度が高い上に早撃ちが得意な2人だからこそなせる技だ。
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