SCENE3 地獄遊園地《ヘル・アミューズメント》中心部

3/5
前へ
/146ページ
次へ
 やばい……。後退りするマサヤ。機内へ戻ろうとしたところ、降りてきたトムソンとぶつかりそうになる。  「危険です。なんとかドアを閉めるだけでもできませんか?」  必死になって訊くが、トムソンは首を振る。  困ったな……焦りながら迫る男達に再度目をやる。すると、その向こうに更に別の人間の姿が見えた。  ん?  怪訝な表情になってマサヤはその人影を見つめる。  2人? あれはこの連中の仲間とは違う。  迫っていた男達も気づいたようで、振り返った。  「マンバの客に手を出すな!」  やはり新たに現れたのは2人。そのうちの1人、スキンヘッドにアーミースタイルで筋骨隆々の男が大声で言った。  でかい。もしかしてダイゴより大きいかも?  もう1人は小柄な女性のようだ。清楚で控えめな黒のワンピースを着ている。若く、その容貌は美しい。だが目を凝らして見ると、腰のホルスターに拳銃が2丁納められていた。  「おまえら、マンバの?!」  先ほどの男が言いかけるが、それを聞くこともなく大男と女性は動いた。  速い!  目を見開いて動きを追うマサヤ。  大男はその体からは信じられないほどのスピードで走り寄る。そして、ドローンを取り囲んでいた男達を蹴散らし始める。ナイフや青竜刀を巧みに避けながら、豪腕をふるってなぎ倒していく。  女性の方も悠然とした動きで近づいてきた。そちらに男達が殺到する。すると彼女はアクロバットのように路面を回転し、飛び上がった。一番近くまで迫ってきた男の頭を蹴り更に飛び上がる。そして後ろにいた男の顔も蹴りつける。  素早い足技に、あっという間に倒される男達。
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加