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おそらく監視カメラか上空からドローンで撮影したのだろうと思われる、人物画像が6点。一人だけ白衣を着て研究者らしき格好をしているが、他の者達は明らかに悪党に見える。
「警察で掴んでいたものと、世界公園の協議会から柳を通じて流して貰った情報だ。その中央に座っているのがマンバ……」
渡部が言った途端にラズが銃を構え、画像に向けた。
「この野郎か。ふざけた格好してやがる。大道芸人かと思ったぜ」
頭にピンクのターバン、インドの民族衣装であるクルタを身に着けているが、シバやヴィシュヌ、ガネーシャといった神々が踊っている姿が描かれていた。サイケデリックな色調で、見ていると目眩を起こしそうだ。
「おいおい、世界中の大道芸人に謝れよ。それから、銃を下ろせって……」
ダイゴが苦笑しながらラズの持つ銃に手をやった。
「隣の写真、白衣の男が二宮銀治郎……」
2人の言動を無視し、続ける渡部。
「はっ?」と目を見開くラズ。「なんだその、化石みたいな名前は?」
「昔の偉人からとった偽名だろう。この男の経歴も犯歴も不明だ。ただ、柳からの情報によると、世界中の軍のサーバーにウイルスを仕込んで世界大戦を起こそうとして、極秘裏に手配された過去があるらしい。そういった技術は優れているということだ。インド・マフィアがそこに目をつけて招き入れたが、その後本人はマンバの反乱に賛同したらしい」
「一番まともな格好をしているが、一番狂ってるのかもしれねぇな」
渡部の説明を聞き、ダイゴが溜息混じりに言った。
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