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「それ以外の4人は、マンバの用心棒とでもいうのがふさわしいのかもしれん。銃やナイフ、妙な武器を使いこなし、暗殺から派手な襲撃まで何でもこなすらしい。やっかいな奴らだ。右から……」
ダイゴに似た大男がドラガ。ジャラジャラとアクセサリーのついた革ジャンパーの男がラック。 大蛇のような長身痩躯の男がサーペン。
そして……。
ラズは妙な既視感にとらわれた。
「どうした?」
ダイゴがラズの様子を見て怪訝な顔をする。
「この女、どこかで見たことがあるような気がする」
黒いワンピースに2丁拳銃、まだ若く、おそらくラズとそう変わらない年齢だろうと思われる女性がレイラ。
渡部の目が鋭い光を帯びた。
「ラックとサーペンは昔からマンバの元で悪さをしていたが、ドラガとそのレイラは最近腕を見込んで雇い入れたらしい。ドラガはダイゴ同様元傭兵だ。しかし、レイラに関しては、それ以前の経歴が全くわからない。犯歴もない。いつの間にか世界公園の暗部に名を知らしめていったようだ。銃の腕前はかなりのもので、もしかしたらラズより早撃ちじゃないかとさえ言われている」
「ふん」と鼻を鳴らすラズ。「上等じゃねぇか。いくらでも相手になってやる。こいつら全員ぶっ殺せばいいんだろ?」
「そういきり立つなよ」ダイゴがなだめるように言った。「あの島には今、中々入れねぇって柳も言ってたじゃねえか。それに、マンバの野郎は、あっちへ渡ろうとしたら拉致したマサヤとお金持ちの旦那は殺すとも言ってやがる。簡単に乗り込んでドンパチやらかすわけにもいかねぇ」
「そういうことだ」渡部が頷く。「今、カナダではトムソン救出のために特殊部隊を編成し、こちらに送る手はずを整えているらしい。日本の警察からもそれに加わる予定だ。だが、どういう作戦で臨むか検討するための時間がかかる」
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